結婚前の夫
当時サラリーマン(結婚後に脱サラ)
夫は社会人になるまでまともに女性に関わったことがなく、今とは真逆のシャイな男性だった。
付き合いはじめから私を大切にしてくれて、友人や同僚にも自慢の彼女・妻だと紹介してくれた。
結婚前の私
実家暮らしの派遣社員。「今が楽しければいい」と過ごす日々だった。
今思えば、常に交際相手を逃げ場にして生きていた気がする。
私たちが出会ったのはお互い10代の頃。
友人関係がしばらく続き、交際が始まったのは20代になってから。
「お金は無いけど結婚は早くしたいね。」と話していた。
そして、息子を授かり結婚。
何かから逃げるように始まった結婚生活・・・
もちろん、幸せな時もあった。
でも、無計画に始まった生活は、そう甘くはなかった。
結婚後に夫がいくつか借金していたことが分かり、生活は苦しかった。
『専業主婦をさせてあげたい』と言われ、専業主婦でいたものの…
夫の給料では足りず、毎月の支払いはどんどん遅れていった。
週末、私が知人のレストランでアルバイトさせてもらい、
なんとか食べていける生活だった。
給料日前には、財布に100円も入っていない暮らしだった。
自分たちの勝手なタイミングで威勢よく結婚したけれど、両実家に助けてもらってばかり。
さらに出産後、何も意思が通じない乳児の相手は、毎日が戦いのようで、
一緒に涙する日も多かった。
でも、幸せだった。
自分の居場所があって、自分を必要としている我が子がいて、愛する人の為に尽くし生きていく。
『あぁ・・。これが幸せなんだ・・・』と、
長男を抱きながら涙が出た。
幸せで涙が出ることもあるんだと、始めて知った日だった…