幸せに涙した新婚生活

2 別れの始まりまで

結婚前の夫

当時サラリーマン(結婚後に脱サラ)

夫は社会人になるまでまともに女性に関わったことがなく、今とは真逆のシャイな男性だった。

付き合いはじめから私を大切にしてくれて、友人や同僚にも自慢の彼女・妻だと紹介してくれた。

 

結婚前の私

実家暮らしの派遣社員。「今が楽しければいい」と過ごす日々だった。

今思えば、常に交際相手を逃げ場にして生きていた気がする。

 

私たちが出会ったのはお互い10代の頃。

友人関係がしばらく続き、交際が始まったのは20代になってから。

「お金は無いけど結婚は早くしたいね。」と話していた。

 

そして、息子を授かり結婚。

 

何かから逃げるように始まった結婚生活・・・

もちろん、幸せな時もあった。

でも、無計画に始まった生活は、そう甘くはなかった。

 

結婚後に夫がいくつか借金していたことが分かり、生活は苦しかった。

 

『専業主婦をさせてあげたい』と言われ、専業主婦でいたものの…

夫の給料では足りず、毎月の支払いはどんどん遅れていった。

 

週末、私が知人のレストランでアルバイトさせてもらい、

なんとか食べていける生活だった。

 

給料日前には、財布に100円も入っていない暮らしだった。

 

自分たちの勝手なタイミングで威勢よく結婚したけれど、両実家に助けてもらってばかり。

 

さらに出産後、何も意思が通じない乳児の相手は、毎日が戦いのようで、

一緒に涙する日も多かった。

 

でも、幸せだった。

 

自分の居場所があって、自分を必要としている我が子がいて、愛する人の為に尽くし生きていく。

 

『あぁ・・。これが幸せなんだ・・・』と、

長男を抱きながら涙が出た。

 

幸せで涙が出ることもあるんだと、始めて知った日だった…

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