時代はガラケー時代。この頃はまだネット普及率は低く、LINEもなかった。
長男が1歳になったころ。
常に何かしらの趣味に夢中になっては、出かけたくてソワソワしている夫。
今度はスケボーにハマりだした。
何でも要領よくこなす夫はすぐに上達し、スケボー仲間ができ、ますますハマっていった。
毎日のように仕事帰りにスケボーパークへ行き、帰ってくるのは夜中…。
私が週末にファミレスでバイトしている間は、夫は息子と自分の弟(子守兼)を連れて、やっぱり夜中までスケボー。
休日の家族のお出かけの時も、息子と私を車で待たせ、スケボー。自分だけ出かけると私の機嫌が悪くなるので、これでも彼なりの気使いなのだ…
そしてある日。
いつものように夫の帰りが遅いので、先に息子と寝ていた。
メールの音が鳴った。
夫からのメールだった。
《今帰ったよ♡
○◯○(スケボーの道具)と体もきれいにしておくよん♡
おやすみ♡》
ん・・・?
・・・・・
・・・・・
・・・・・
意識がはっきりしないまま、しばらく考えた。
あぁ……私に送ったメールじゃないのか……
えーーーと……
女かな!?
誤爆の後、すぐ夫が帰宅した。
夫は間違えたことに気付いている様子。
しかし、あえて普通に会話してくる。
私の方が取り乱し、いったい何が起きてるのか分からず、パニック状態でまくしたてた。
よく分からないけど、なんとなくそれっぽい答えでかわそうとする。
すごい神経だと思う。
付き合っていた頃から分かっていたけど・・・根っからの嘘つきだ
全く話にならないので、携帯を奪って布団に入った。
『浮気してたんだ・・・』
いま起きていることを意識するたびに
心臓が跳ね上がり、涙が止まらなかった・・・。
翌朝、携帯をむりやり預かり会社へ行かせ、メールを確認した。
メールの相手の名は、「葉月(はづき)」。
私の名前と似ていたので間違えたらしい。
本当に詰めが甘いんだよ!!!!!!!!
夫の携帯で確認できたのはそれだけだった。
とりあえず、相手がどんな人間なのか調べねばならないだろう。
この時の私はなんだか、冴えていた。
当時、ほとんどの人がやっていたSNSで葉月を探し、
あっという間に見つけた。名探偵である。
このSNSではアバターを作り、マイページにプロフィールや『つぶやき』を載せるものだった。ちなみに『あしあと』機能というものもあり、誰がマイページを訪れたかも分かる仕組みだ。
そこで手に入れた情報はこの通りである。
- 夫の10ほども年下のハタチの女なのだ
- 2人はスケボーで知り合ったのだ
- つぶやきを見ると葉月はゲス夫にぞっこんなのだ
- スケボーの道具(メールにあった○◯○)をゲス夫が次に会うまできれいにしてあげると約束したと書いてあるのだ
そして、ゲス夫にぞっこんで周りが見えなくなっている彼女は
《好きになってはいけない人を好きになってしまった・・・。》
《どうしてもっと早く出会えなかったのかな・・・》
などという書き込みをしていたのだ。
バカヤロウ!!!!!
なんだこのお決まりのセリフは。悲劇のヒロインかよ!
こんなのよく世界に公開するもんだ。純粋なのか頭がお花畑なのか…
だから利用されるんだよ。ゲス夫みたいな体目当ての男に……。
ゲス夫みたいな男に純粋な恋心を抱き、引っかかってしまった葉月。
彼女もまた被害者だろうが、既婚と知ってなお関係を続けようとしているなら、私にとっては敵でしかない。
悲劇のヒロインは私だ。譲らん!
そして・・・
後日、私は葉月と連絡を取り
対面することとなった。
つづく
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